GM:バンディツ達が使っていた店に行きます。見ない顔だなって事で露骨に睨んでくる奴も居ますけど。

バジル:まあ、そういうのはスルーして何か注文を。

レオン:じゃあ……オヤジ、フルーツ盛り合わせ。一番高いんだぞ、これ。「時価」だからな(笑)。

GM:オヤジはフルーツを切り分けながら…って、間抜け図だなぁ。「それを食べたら帰った方がいい」と言って目線で背後を指しますと、後ろから剣呑な目線を送ってくる奴らがいます。

バジル:(無視して)フルーツを摘みながら言おう。ジョゼという女シーフを捜しているんだが? と言って50G差し出そう。

M:「昨日店に来て、古美術品の買い手を探しているので、俺に渡りをつけて欲しいと言われたが、心当たりが無いので断った」

バジル:俺達も美術に興味があってな。ジョゼの居場所を教えて欲しいんだが?

GM:流石に居場所までは知らないそうですが、次に来たときにブツの買い手が見つかったと言う話をするなら構わないと言っています。

バジル:それで構わない。そう言っておいてくれ。

GM:「で? あんたらの連絡先は?」

レオン:エルマンの名前を借りよう。
GM:エルマンの名前を聞くと態度が豹変します。

「分かった。直ぐに人をやって探させよう。ところで、フルーツのお替りはどうだ? おごりにしておくぞ?(笑)」

 ……エルマン便利だなあ、我ながら(笑)。

レオン:因みに、ジョゼの仲間にこんな子供は居たかい? と言ってジョエルの人相を話そう。

GM:「ああ、リーダーのジョゼの周りを金魚の糞みたくついて回ってたな。垢ぬけないし、不自然に良いなりだから目立ったぜ」

レオン:これは、体よく騙されて利用されたな。

バジル:(頷いて)間違いないみたいだな。

GM:アコさんも「全くあの子ったら……」って言いますよ。

「早く捕まえて目を覚ましてもらわなきゃ」

レオン:まずは連中の尻尾を掴まないと。

GM:そんな話をしていると、オヤジが連絡がついたと言ってきます。
「で? 取引の場所はどうする?」

レオン:こういう場合、どの辺で取引をやるんだろう?

GM:街の西側に麦畑がありますからそこはどうでしょう? 夜なら誰も居ないでしょうし。

バジル:それで行こう。

GM:今は夕方くらいで、約束の時間までまだ余裕がありますが、何かしたいことあります?

バジル:ジョエルに会っておきたいな。流石にここまで真相に近づいたなら彼も話をしてくれるだろう。


◆◆◆◆◆


GM:では、ジョエルは相変らずぶんむくれた様子で皆さんを迎えます。
「また来たのかよ」

バジル:たびたび悪いな。そうだ、フルーツでも食うか?

GM:持って帰って来たんかい(笑)

レオン:ここで「あの店のフルーツだ」って言ってやればいいんじゃないですか?

GM:流石に顔色が変わります。
「あんたら一体どこまで!?」

バジル:まあ、一通りはな。ジョゼって奴に熱上げてるんだって?

GM:流石にそれは折れてしまいます。急に涙を浮かべて。
「僕は止めたんだ! まさかこんな事になるなんて思ってもなかったんだよ……」

バジル:と言う事は、お前はやろうとしてやったわけではないんだな?

GM:ジョエルはぽつりぽつりと真相を話し始めます。ジョゼらヴァンディッツは深夜に遊びに来るふりをしてジョエルに手引きさせ、ベルモン邸に侵入。首飾りを盗み出そうとしましたが、それを知ったジョエルと奪い合いになり、結局鎖を引きちぎって奪って逃げて行ったといいます。

レオン:ではなぜジョゼを庇う?

GM:それを言われると、本格的に泣き出します。
「しょうがないだろ! 好きになっちゃったんだから!」

バジル:お前の「好き」って言うのは俺の思う「好き」とは違う気がする。好きな相手が間違いを犯しているのにそれを放っておいて自分が全て引っかぶろうっていうのは、「好き」とは違うんじゃないか?

GM:「ジョゼさんは、僕のことを一人前だって。背中を任せられる仲間だって言ってくれたんだ」

レイ:若い子を騙して、盗みに加担させようとしたんですか。親子の絆を裂こうとしたのは許せませんね。

バジル:それで自分を認めてくれたジョゼに依存しちゃったわけか。でも、そこで突っ張ってたら誰も幸せにならないぞ?

GM:「じゃあ、どうすればよかったんだよ!」

バジル:俺だったら、真実を話して止めてあげるよ。それが関係を壊す事になってもね。それに君とジョゼだけの話だったら良いが、実際に困る人がいるじゃないか。親父さんや姉さんがね。そんな人たちを泣かせてまで、君は意地を張るのか?

GM:「……僕は、どうすればいい?」

バジル:話してみるか? ジョゼと。もう一度お前の思いを伝えてみればいい。それではっきりするだろう。

GM:「会えるのかい?」

バジル:会う手はずになっている。どうだ?

GM:「……お願いします。僕を連れて行ってください!」

バジル:分かった。アコさんもそれで良いかな?

GM:「ええ、真実を知るのが弟のためにもいいと思います」

バジル:ジョエルの事はちゃんと守るから安心してくれ。


◆◆◆◆◆


レオン:では、準備の間少し抜け出してエトワールに会いに行こう。あのヴァレリーって男がどんなものか、隊長のためにも知っておきたい。

GM:では丁度赤枝の館から退庁してくるエトワールを捕まえます。
「ん? レオンではないか。何か事件でもあったのか?」

レオン:歩きながらですみません。実はかくかくしかじか……という事がありまして、ヴァレリー卿でしたか? 探るようで自分でもあまりいい気持ちはする行為ではないですが、どんな御仁かご存知であったら教えていただきたいと思いまして。

GM:「ふむ、ヴァレリーか。同僚としてはこれ以上なく頼れる男だ。幹部騎士としても、能力のある者を抜擢し、失敗した者にもやる気を見せれば再びチャンスを与える度量を持っている。だが、人間としては……少々『拗らせている』」

レオン:拗らせている?

GM:「幼少期の体験で色々あったと聞くが、能力が無いと判断したものにはとことん辛辣だ。特にそう言った人間が分不相応に地位を得て、余計な被害を出すことを極度に嫌う傾向にある。そのせいで他人からの評価が好かれるか嫌われるかの両極端だ」

レオン:なるほど、それでアコさんにあのような言い方をしたんですね。一概に我々への嫌がらせと言うわけではなかったと言うことですか。しかしまあ、随分と偏屈な……と言いかけて止める。失礼しました。

GM:「いや、気持ちは分かる。だが決して悪い男ではないのだ。ちゃんと気遣いは出来るし、功績を残した者は身分を問わず称賛を惜しまない。ルーシディティ団長が不在の今、彼無しで騎士団は回らない」

レオン:そこで苦笑して、貴方のような赤枝の騎士が居てくれるだけでありがたいことだとは思います。

GM:「褒め言葉と取っておこう」同じく苦笑交じりに返します。

レオン:彼女自身は彼には全く心惹かれては居ないようですが、万が一外堀を埋められると困る人が私の知り合いにおりまして。

バジル:ハクション!(笑)

GM:流石にエトワールもそれが誰の事だか気付いたみたいですね。
「心情的には、どちらを応援するとは言えないが、幸福な結果を願うよ」

レオン:それはありがとうございます。本人に伝えるわけには行かないが、もしその言葉を知ったならきっと喜ぶことでしょう。そういう事情に免じてぶしつけな質問をお許し下さい。

GM:「いや、貴殿と私の仲ではないか。今回の事に割って入るような野暮はしないが、人手が必要になったらいつでも言ってくれ」

レオン:今回は我々のみでやってみたいと思います。ご好意に甘えたいのは山々ですが、我々だけで片付ける事によってスキャンダルを表沙汰にしなくて済みますから。

GM:「そうか。戦果を期待している」

レオン:それにそのお話は我々にも言えることです。個人的な友情でお役に立てることがあったら、その時はどうか遠慮なく言ってください。

GM:「ああ、その時は頼りにさせてもらおう」

レオン:では、ありがとうございました。エトワールを見送って、呟こう。
「負けちゃいけませんよ、隊長」