●バジル 子供たちへの聞き取り

GM:ジャンからいきましょうか。
 アルドの店で保護された子供は8人。彼らは現在銃士隊の寮に借り暮らしです。落ち着いたらしかるべき施設で生活することになると思います。
 とは言え現在は難民問題も深刻化してますので、全員が引き取られるまではそれなりに苦労しそうではあります。残念ながら、ケアが行き届いていない施設も少なくはないですし。

バジル:やれやれ、大変な問題に関わっちまったな。まあ、とにかくジャン達に話を聞こう。よう元気? ちゃんとやってるか?

GM:バジルを見つけるとジャンと妹がキラキラした目で駆け寄ってきます。「ここは凄いんですよ! 毎日ちゃんとした白いパンが食べられるんです!」

レオン:なんか涙がちょちょ切れるような(笑)

バジル:ちゃんと働けばちゃんと食えるんだよ。と言いつつも、受け入れ先の現実を聞いちゃったから、良心が痛む。

GM:「銃士隊って、何歳から入れるんですか!? 僕、志願したいです! 皆さんに助けて頂いたお礼がしたいんです!」

バジル:ううっ、そんな目で俺を見るな!

GM:バジルの苦悩はどこ吹く風で、子供たちは性別問わず、我も我もと銃士隊に入りたいと表明します。

バジル:こりゃあ、最後まで責任負うしかないな。分かった。入隊したら俺が鍛えてやるよ。


「本当ですか!? 約束ですよ!?」

 喜色を浮かべるジャンに続き、今日から体を鍛えると言うものもいれば、仕事の話を聞かせて欲しいとせがむ者もいる。

(こんないい子たちを放り出して食う飯は、きっとまずいもんな)

 目を輝かせる子供たちに囲まれ、バジルは厄介事を背負う覚悟をする。
 施設が見つからなければ、方々に里親や勤め先を探して回ろうと考える。


バジル:悪いんだが聞いて良いか? ジャンたちは何処から来たんだ?

GM:ヴァンスターに併合されたとある街の名前を応えますよ。父親は兵隊に取られてそれっきり。母親も戦火の中で行方不明。そんな中で人買いに捕まったそうです。

バジル:どういう奴に連れてこられたか分かるか?

GM:それがですね。ずっとここに来るまで目隠しをさせられていてらしいんですよ。ジャンは「リーダー格がだみ声で特徴ある声でした。いつも誰かを怒鳴りつけていたので、声を聞けば判別できると思います。他にも何人か声を覚えている人もいます」と返答し、残りの7人も頷きます。

レイ:そんなに覚えてるんですか。この子たちは本当に銃士向きかも知れませんね。

バジル:そっか、わかった。つらい事聞いて悪かったな。

GM:皆はバジルの役に立った事が嬉しいようです。「今度マスケット銃を教えてよ」と言っています。

バジル:銃はちょっと早いかな。まずは体を鍛えないとな。

GM:「そっかー! よーし、やるぞ!」

バジル:まあそんな感じで、聞きたい事は聞けました。


◆◆◆◆◆


●レオン 煙突掃除ギルドで聞き込み

GM:次はレオンですが、どんな感じで攻めます?

レオン:ちなみに煙突掃除ってどんな感じで設定してます?

GM:貧乏な子供が出稼ぎにやるような仕事ですね。危険で重労働ではありますが、他よりは賃金が良いのです。人を使ったり人脈を作ったりもできるので、ここから商売を始める子供も多いです。

 ただ、この世界では過去に何か嫌な事件が起こったんでしょう。ガイドラインが厳しくなっているようです。何時間働いたら必ず休憩を取るようにとか。

レオン:なるほどね。では正面からいってみるか。煙突掃除ギルドに入ります。

GM:ギルドマスターに出迎えられます。「これはこれは銃士様、当ギルドに何か御用でしょうか」

レオン:いつも市民生活の裏方ご苦労様です。

GM:彼はレオンの言葉に悪意が無いことに、寧ろ苦笑します。「まあ、うちの仕事は必要悪みたいなもんですからね」と言う言葉が返ってきました。

レオン:なるほど、業界の人たちも現状を良しとはしていないようですね。ではこう返しましょう。だが実際あなた方が居なければ、皆が快適な生活を送ることはできない。

GM:「それは働いている子供達に言ってあげると凄く喜びますよ。ところで今日は何の御用で?」

レオン:実は親方に、折り入って伺いたい事があります。素直に爺さんの話をしよう。

GM:嫌な顔をします。「そんな事をする輩が居るのですか! 我々が10年がかりで業界のイメージを払拭しようとやってきたことを、ひとりの不心得者が台無しにしてくれました」

レオン:そうでしょうね。我々としてもあなた方のようなきちんと協定を守っている親方達までが一部の不心得者の為に色眼鏡で見られる事が一番問題だと考えています。その意味でもここは一つ協力を仰ぎたい。

GM:「はい、私どもができる事であれば協力させていただきますが」

レオン:単刀直入に言えば、ブラックな噂とかを教えていただきたい。

GM:「実は先程その話を赤枝の騎士団の方が聞きに来られましてね。丁度お答えしてお帰り頂いた所なんですが」と。赤枝の騎士団も動いてるみたいですね。

レオン:動いている? 前線に出てる騎士ならともかくとして、あの市民の事なんか興味無さそうな連中が?

GM:(あらら、少し赤枝の騎士団を悪者にしすぎたかな? まあ後で名誉回復するからこのまま進めるか)

レオン:まあ、それはいい。聞かれて答えたという事は。心当たりがあるということですか?

GM:うーん、噂レベルでは話してくれますが、ここで固有名詞を出せるレベルのものはありません。

レオン:それならそれで良いです。参考になりました。ありがとう。ただもしかすると親方、一つ頼まれていただくかもしれません。

GM:「はい、何でしょう?」

レオン:あえて汚名を被っていただくわけにはいきませんか?

GM:「と言いますと?」

レオン:つまり、来ないんだったらこちらからおびき寄せると言う手もあるかと思いまして。

 あなた方正式なギルドのメンバーがちゃんとやっている事は承知しています。しかし、もしその長である貴方があのアルド爺さんみたいなことをやろうとしていると言う噂を流せば、犯人グループが嗅ぎ付けてくる可能性が高い。そこを一網打尽にするのです。

GM:(げえっ、そんな作戦想定外ですよ!)

 マスターはうーんと唸ってしまいます。

レオン:勿論、事件解決の暁には町中の瓦版で経緯の全てを明らかにしましょう。

GM:「わかりました。私も男です。その話、乗りましょう!」

レオン:ありがとうございます。状況がそちらに転ぶかどうか決まったわけではありません。もし必要な時はお願いする可能性がありますので、その時は宜しくお願いいたします。

GM:「わかりました」

レオン:協力に感謝いたします。