ことは:皆様ご無沙汰です。作者のはぎわらが繁忙期だからとか言って漫画ばっかり読んでるから、そろそろお尻を叩いて書かせることにしたわ。

真

真:『真秀ろばの国』本編も更新してるのにねぇ。いや、忙しいのは分かるけど。

ことは:というわけで、今回のテーマは『医療』よ。

真:最新話『未知との遭遇③(前編)』では、深手を負ったマリオの緊急手術が行われて、それを見守るシルヴィアも車椅子だったね? そう言えば、フィオナとターニャは車椅子の作りには驚いてたけど、車椅子自体にはびっくりはしてなかったね。

ことは:設定考証アドバイザーの谷利さんによると、地球の車椅子は紀元前から存在して、スペイン国王フェリペ2世も晩年は愛用していたらしいわ。多分エリドゥでも既に発明済みなんでしょう。もちろん、完成度は地球製に遠く及ばないとは思うけれど。

真:じゃあ、エリドゥは魔法治療のお陰で医学の発達が遅れているなんてことは無いんだ。

ことは:ないわね。魔法治療ができる術者が無限にいるならそうなってたかもしれないけど、例えば中級程度の術者が一度に治療できる数なんてたかが知れてるもの。大病院や戦場だったらたちまちドレインでクタクタに。下手をすると術者が新たな患者になるわ。村の小さな診療所なんかには魔法医は常駐してないだろうしね。

真:身もふたもない。

ことは:ここで医術の登場よ。例えば、剣でスパッと斬られた傷口を一から魔法で繋ぎ合わせたら術者の負担になるけど、一度外科医が縫合してから魔法を使うとあら不思議。消耗を抑えて治療ができるってわけ。

真

真:なるほど。わかりやすい例えだね。

ことは:実際には触媒や魔道具が関わってくるからそこまで簡単な話じゃないけどね。エリドゥにおいて魔法と医学は対立関係になく、相互補完する関係ということよ。

真:でも、それだと、技術チートの余地が狭まるんじゃない?

ことは:逆だわ。魔法しか知らない人間の目の前で、いきなり外科手術が始まったらどう思われるかしら? 貴族階級であるフィオナですら、「未知との遭遇③(前編)」では「事前に悠斗たちの情報を持っていなければ襲い掛かっているところだった」と語っているわ。もし、エリドゥが魔法治療しか行われていない社会なら、ここでエリドゥ人とのファーストコンタクトに支障が生じていた可能性すらあるわよ。

真:それは、お話が根底から覆るね。

ことは:もちろん、地球側もある程度柔軟に対応するでしょうから、いきなり野蛮人扱いされてマズダ連合と険悪な関係に……とかにはならないでしょうけど、本郷二将らとの会談は作中よりはスムーズな展開にならなかったでしょうね。

真:その辺り、日本側は運にも恵まれたわけだ。そういえば、会談ということだけど、フィオナさんたち長い間森の中を歩き回って、ゴブリンの返り血でドロドロだよね? 悲惨なことになってない? かといって着替えたら武装を取り上げることになるから対等な会談にならなくなるし……。

ことは:シャラーップ! 見目麗しい姫騎士がそんなマニアックな状態になるなんて作者の紺碧さんが許しても私は許さないわ!

真:そんなこと言ったって、どうするのさ?

ことは:その辺りの指摘は谷利さんからもしっかり出たけど、紺碧さんは解決策を設定済みだったわ。

真:おお! 流石紺碧さん!

ことは:エリドゥには「浄化ピュリファイ」の魔法があるのよ。紺碧さん曰く「術者の身体や身に付けた衣服を清浄な状態に清める事の出来る魔術」と言うものよ。ある意味、魔法金属でできた標的を吹き飛ばして魔法学園の入学試験に首席合格する転生者よりよっぽどチートね。

真

真:だから、そんな多方面に喧嘩売る必要ないでしょ!? 最近それで炎上した漫画があるんだから!

ことは:つい面白くなっちゃって(笑)。それで「浄化」だけど、これがあれば、例えばカウボーイのキャトルドライブのような過酷な旅でもそれなりの衛生状態を保つことができるわね。

真:キャトルドライブ?

ことは:牛の輸送よ。西部から東部まで牛の群れを運ぶんだけど、毎日汗みどろになって仕事をして、お風呂は月に1回、下着は予備がないから替えないという素敵な旅だったらしいわ。

真:ううっ、西部劇を素直に見られなくなったよ。

ことは:この手の話題で史実の近世の話は使い古されているので、西部開拓時代の例を挙げてみたけど、地球とエリドゥでどちらの文明が優れているかと言うと、一概には言えない理由はこの辺りね。

真:本編でも「異世界エリドゥ、侮りがたしだ!」とはっきり記されているね。

ことは:例えば衛生状態の悪い地球の近世くらいの軍隊と正面からぶつかった場合、攻撃魔法ナシでも大変なアドバンテージになるわ。「浄化」で感染症による戦死者は減るし、回復魔法で放っておけば死んでしまう兵士が次々戦列復帰してくるんだから。さながら映画『テルマ●ロマエ』のローマ兵のようね。

真:例えが分かりにくいよ! 確かに温泉入るだけで次々怪我や疲労が治ってゆくゾンビじみた兵士が出てきたけど。そういえば、エリドゥにお風呂はあるの? 魔法で奇麗になるなら必要なさそうだけど?

ことは:じゃあ真、あなたの前に女神が現れます。「あなたにチートスキルを与えます。一生お風呂に入らなくても体も服も汚れないスキルです」と言われて、「じゃあもうお風呂はいいや」ってなるかしら?

真:なにそのニッチなスキル? まあ、分かりやすいけど。

ことは:エリドゥは木材資源が豊富だし、有料で火の魔法を提供してくれる下級魔法使いがいるから、共同浴場なんかが整備されている国も多いの。もちろん、副業で「浄化」をかけてくれる「浄化屋さん」も居るから、お風呂に関心がない人はそれで済ませるでしょうけどね。

真:でも、衛生状態が良くても、例えば水が汚染されてたりしたら伝染病は防げないよね? その辺りはどうなっているんだろう?

ことは:薪が安いから沸かせばいいし、水を浄化する魔法もあるんだけど、一度伝染病が広まると追いつかなかった例もあるわ。そういった意味では確かに内科的な部分で未発達な感は否めないわね。なまじ魔法で何でもできるから、それが通じないとき破綻しやすくなるのはしょうがない事だわ。

真:魔法を使えれば万々歳とはいかないよね。あたりまえだけど。

ことは:そこで出てくるのが地球の医学よ。おひい様の側近を治療したという実績があるから、うまく宣伝すれば伝えやすくなるんじゃないかしら。

真:その辺りは本編のその後に期待だね!

ことは:医療の件は、私たちが登場する企画にも関わるかもしれないわ。

真:ええっ! なにそれ! 詳しく!?

ことは:現在構想中なので、もう少しお待ちください。

真:……うん、OK。知ってた。

続く

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