ことは:……そんなに、私たちの力が見たいのね!?

真:えっ、何?

ことは:攻撃してくる……あなた達が……あなた達が悪いのよ……。

真:ことは?

ことは:やって……やるわ……殺られる……前に! アスロック発射! ぽちっとな!

画像は適当(Wikipedia参照)。著作権は米海軍にあります。

どかーん!

ことは:というわけで皆さん如何お過ごしでしょうか? 西城寺ことはです。

真:宮藤真です。今の寸劇は何?

ことは:有名なタイムスリップ系架空戦記を知らない?

真:ああ、あれか! でも何でそんなネタシーンをわざわざ?

ことは:主人公のアスロック米倉が大活躍するシーンだもの。

殺らなければ…殺られます…砲雷長…!

真:彼は主人公でも何でもないからね? いい加減ニッチなネタばっかやってるとブラバされるよ?

ことは:それもそうね! じゃあ本題に戻りましょう。その前にいつもの奴を。ここは葵紺碧氏の創作小説『「真秀ろばの国」導く、異世界新秩序』に登場する兵器やミリタリー設定を解説するコーナーよ。

真

真:このサイトは創作集団『王立銃士隊』の情報ページなんだ。現在主宰でこの記事を書いている萩原優『真秀ろばの国』の作者葵紺碧、設定アドバイザー&模型製作担当の谷利が活動しているんだけど、このコーナーでは萩原優が連載している『王立空軍物語』のキャラクターとコラボがあったりするよ。

ことは:小説本編も載せておくわ。興味がある人、片方の作品しか読んでいない人は是非この機会にどうぞ。


「真秀ろばの国」導く、異世界新秩序 葵紺碧
違う歴史を歩んだ日本が、突如異世界に転移。巨大な軍事力経済力を持つ特異点となった日本とその同盟国は、生存圏獲得のため異世界各国と交流を始めるが……。


王立空軍物語 萩原優
乱世の異世界ライズ。人々は門でつながった地球から武器や義勇兵を買い込み、泥沼の世界大戦に興じていた。たまたま北の孤島に立ち寄った7人のパイロットはこの島が敵の大艦隊に狙われている事を知り、島民を守るため決死の抵抗を決意する。


ことは:さて、という訳で私たちは那覇空港に隣接する海上保安庁の海上保安本部那覇航空基地に来ています。

真:毎度思うけど、何で一介の高校生がこんなあちこち入れるんだろう?

ことは:こまけえことは良いのよ! 今回紹介する〔ゼーアドラー〕は上の作品で登場するチート航空機がモデルになっているの。詳細やデザインはこちらのリンクで確認できるわ。で、これが今回紹介するMV/SA-33J〔ゼーアドラー〕よ。



真:今回は海保の機体なんだね。そう言えばニュースとかで見た事あるような……。翼があるのにプロペラが上に向いてるけど、これは〔オスプレイ〕の仲間なの?

ことは:その辺は解説役に聞きましょうか。

真:あー、またあの人たち出てくるんだ。

マリア:というわけで呼ばれて飛び出て何とやら! 『王立空軍物語』からのゲスト出演の、解説のマリア・オールディントンです!

真:あれ? 主人公の隼人さんは?

マリア:仕事で疲れてるのを押してここまで来ましたからね。徹夜で〔ゼーアドラー〕の説明を受けて、満足したら力尽きて寝ちゃいました。

真:小学生かい!

マリア:似たようなものです。さて、ではこの機体について語る前に、そもそも「ティルトウィング機」についてお話しないといけません。


ティルトウィングは翼とローターを縦に出来る

真:何か読者さんたちの世界だと、〔オスプレイ〕って事故が多いって言われてるけど?

マリア:古くからあるコンセプトとは言え、新しいタイプの機体ですからね。開発時に試作機が「ウィドーメイカー未亡人製造機」なんて呼ばれることは割と普通なのです。「事故が多い」と言う主張は数字をつまみ食いした印象操作っぽいのですが、趣旨に外れるので興味ある方は調べてみて下さい。

ことは:だから、新型装備の採用は朝●新聞の意見を聞くべきよ。スポンサー仮想敵国が嫌がる兵器は採用に反対するから、それを使うようにすればいいわ。

真:はいはい、怖い人が来ないうちに話題を変えるよ? ティルトウィング機って?

マリア:簡単に言うと、「飛行機(固定翼機)とヘリコプターのいいとこ取り」を目指した機種ですね。ローター(プロペラみたいな奴)が回転する事で、ヘリの様に垂直上昇と飛行機のような水平機動の両方が行えます。

ことは:確かに〔オスプレイ〕ね!

マリア:正確には、〔オスプレイ〕は「ティルトローター」機ですね。翼ごと上を向くのが「ティルトウイング」で、エンジンとローター部分だけが回転するのが「ティルトローター」です。



真:どう違うの?

マリア:「ダウンウォッシュ」と言うヘリコプター特有の現象が関係してきます。

ことは:ああ、聞いた事あるわ。ヘリが低空に降りると自分で起こした風でふらふら揺れる奴だったっけ? レスキューものだと大抵要救助者をヘリに乗せるときの障害として描かれるわよね。

マリア:その通り。ダウンウォッシュは自分の起こした風が機体を煽ったりするのですが、ティルトウィングは翼を縦にしますので風を受ける面積が少なくなります。つまり影響を受けにくいんですね。一方で横風などの影響は受けやすくなります。ティルトローターの特性はその逆で、「ダウンウォッシュの影響を受けやすい代わりに、横風などには強い」という事ですね。

ことは:つまり、同種の機体でもティルトローターはヘリ寄り、ティルトウィングは固定翼機寄りの特性って事ね。

マリア:流石理解が早いですね。本来はティルトウィング機の方が技術的なハードルが高いんですが、〔ゼーアドラー〕はとある理由でティルトウィング機となりました。

真:その辺りに〔ゼーアドラー〕が生まれた秘密があるとか?

マリア:ご名答です。では登場の経緯と機体の概要を見ていきましょう。


ゼーアドラー登場の経緯

マリア

マリア:〔ゼーアドラー〕の開発計画は、米国の〔オスプレイ〕と並行で進められました。

ことは:もうすでに読者の皆さんの世界と違うわね。

マリア:ええ、読者の皆さんの世界では、ティルトウィング機は2022年になっても実用機を出せていないようですね。ティルトローター機より技術的に難しい事が原因だと思われます。

真:それだけで10年以上開発が遅れてるの?

マリア:大きな理由として高い予算を捻出して開発する理由が薄い事があります。ティルトウィング機は先ほど挙げた理由に加えて、「エンジンの強化が容易」「整備が簡単」と言った利点がありますが、ティルトローター機の亜種に過ぎないと言う認識が一般的です。ならば多少使いにくくても造りやすいティルトローターの〔オスプレイ〕で間に合うだろうと。

ことは:現実的と言えばそうね。

真:じゃあ、僕たちの世界では何で開発が続行されたの?

マリア:明確な需要があったからです。読者さんの世界と少し違う経緯を辿ったコンゴ動乱やベトナム戦争などの戦訓から、この種の機体が必要と判断されました。

真:えっ? それだけ? もっとこう詳しい話とか……。

マリア:聞きたいですか? それだと「COIN機」「A-FAC」「ガンシップ」辺りの解説から始まって、史実と違うコンゴやベトナムの状況を全部説明しないといけません。私は構いませんがお時間いただきますよ?

真:ま、また今度。

ことは:私は聞きたいかも。

マリア:面白い話ではあるのですが、ライト層向けのコンテンツにそぐわない地味でニッチな話題になりますので、紺碧さんにわざわざ書いて頂いた概略設定書ははぎわらの独断でカットです(笑)

真:ひどくない!?

マリア:とりあえず、「状況が違ってティルトウィング機が必要になった」とだけ覚えておいてください。後でどんな用途か説明します。

ことは:聞きたい方は紺碧さんのTwitterアカウントの方で質問してみてちょうだい。

マリア:また、もうひとつの要素として「ティルトウィング機をより固定翼機の特性に寄せる」と言うアイデアから、ティルトローター機との棲み分けが実現したのです。用途が違うならお金をかけて並行開発する価値が出てくるわけですね。

真:なるほど。詳しくお願いします。

マリア:ティルトウィング機は、もともとヘリと固定翼機の特性を併せ持つ機体です。〔ゼーアドラー〕はこの良いところ取りに加えて、更に通常滑走、つまりヘリの様にローターを上に向けての飛行だけでなく、固定翼機の様に風を受けて揚力で離陸する能力が与えられました。これが先ほど挙げた「とある理由」です。

真:え? それ凄いの? ティルトウィングの良さを殺したりしない?

マリア:しないんです。通常滑走の方が揚力を使う分重いものを持ち上げられますし、燃費も良いんです。だから狭い所ではヘリの様に垂直上昇して、ちゃんとした飛行場では滑走して離陸すれば、便利度がぐっと上がります。これはティルトウィング機である〔ゼーアドラー〕ならではの機能でした。

ことは:なるほど、確かにちゃんと棲み分けができてるわね。開発が続けられた理由は分かったけど、米軍はティルトウィング機に何をさせたかったの?

マリア:そこですね。大まかに分けて〔ゼーアドラー〕の用途は、以下を想定しています。

  • 攻撃ヘリコプター、偵察ヘリコプター(陸軍航空隊および海兵隊航空団が使用)
  • ヘリコプターの搭載能力を備えた艦艇を母艦として運用される哨戒ヘリコプター(海軍や沿岸警備隊が使用)
  • 陸上基地より運用される小型の哨戒機、戦術偵察機、COIN機(沿岸警備隊や陸軍の航空隊及び固定翼機として空軍が使用)

真:良くわからないけど、かなり色々出来るっぽい?

マリア:かなりどころか、9人全員を大谷翔平みたく打てて投げられる選手で固めた夢のドリームチームを作りなさいみたいなオーダーです。

真:何故夢とドリームを重ねるの?

ことは:つまり、戦車を攻撃できるだけでなく、軍艦に乗せて潜水艦や小型船舶とも戦いつつ、偵察や航空機の警戒、爆撃までこなしちゃう何でも出来るマンを造れという事ね。

真:ええっ! 大丈夫なの!?

マリア:大丈夫ではありませんでした。開発を請け負ったベル社は、当初こそ目玉を$マークにして頑張りました。各軍で使われている複数機種のヘリや固定翼機が皆自社製品に入れ替わるのです。でも案の定と言いますか、多用途化の壁は大きかったのです。空軍が計画に懐疑的だった事もあり、開発は難航します。

ことは:そりゃそうよ。普通何世代もかけて達成させるような新機種の実用化と統合化を、たった1機種でやってしまおうと言うんだから。

マリア:そこで、米国はお友達に変態が居る事を思い出したのです。

真:変態? あったっけそんな国?

マリア:「小型化」「多機能化」と言う言葉を前にすると目の色変えて開発費を投入し、それらを実現させてしまう変態オタク国家、その名も日本国です。日本人の間でも、「さすがにこれはちょっと……」と難色を示す人は多かったのですが、この世界の日本特有の事情に背中を押されました。

真:特有の事情? 分断国家だったって事?

マリア:その通り。こちらの日本にとって北海道の北側から次々やって来る不審船対策に〔ゼーアドラー〕のような航空機は喉から手が出る程欲しいものでした。護衛艦や海保の巡視船から飛び立るだけでなく、航続距離の長ければ広い海域を警戒出来、コストや現場の負担軽減にもなるからです。結局日本は米国からの誘いを受ける事になります。

真:なるほど、ただスゴイ飛行機だから協力したんじゃなくて、使いたい用途があったからお金を出したんだね。

ことは:どんなにレア度が高くても、使わないアイテムに課金してもしょうがないわ。「なんかすごい技術あるから新型機を造ってみようぜ?」なんてふわっとした理由で巨費を投入できる日本企業なんて、アナ●イムエレクトロニクスぐらいじゃないかしら?

真:そこは現代兵器じゃなくて、大きいお友達の夢を作ってるメーカーだから。

マリア:続けますよ? 開発協力に名乗り出たのは、ヘリコプターで知られる航空事業の老舗「川崎重工」です。こちらも仕事を受けるにあたっては、随分揉めたようですね。確かに開発に成功すれば莫大なシェアは得られる。でも成功のハードルはあまりに高いのです。しかし、決め手になったのは「是非やらせてくれ!」と言う現場からの声でした。

ことは:現場? ここでやっと”KLATクラット“の設計チームが出てくるのね!?

真:きゅ、急に食いついたね。

マリア:ええ、川崎航空技術研究室(Kawasaki’s Lab of Aircraft Technology)、略してクラットです。社内の若手スタッフが立ち上げた子会社で、こちらの日本で一番技術力を持っている集団だと言われています。クラッときちゃいますね♪

真:それ、元ネタを知らない人にはただの寒いギャグにしか聞こえませんから!

ことは:それだけじゃないのよ! 経営陣の引き出しがとっても広いの! 川崎本体へのプレゼンで、映画の名台詞や論語からの引用で役員を説得したなんて言われてるわ! 社長も「同じアイデアだけを繰り返すことはしない。必ず何か無駄・・な冒険をする」って言ってるのよ! 「無駄」と言う表現の的確さに驚かされて……。

マリア:なんか前回に続き、本当に義兄がひとり増えた感じなんですが……。

真:すみません。気に入った経営者の話になるといつもこうなんです。

ことは:……あと、今後の展開への布石と言うこともあったり。詳細は決まったら追って報告するわ。

真:急に冷静にもどらないで! とにかく、そんなスゴイ集団が後押ししたと。

マリア:両国の技術者たちは山と積まれた問題を、悪漢を斬り伏せる上様のごとく次々解決し、〔ゼーアドラー〕は大空に羽ばたくことになったのです。これを見た合衆国空軍も「やっぱりうちも欲しい!」と言い出し、ベル社と川崎の経営陣は文字通り躍り上がって喜んだと言います。

真:みんな部の悪い賭けに大勝ちしたんだね。

マリア:膨大な受注もそうですが、トップクラスの技術者を大量に育成できたのは大きな財産でした。彼らは民生型ティルトウィング機の開発に関わるなど、航空業界を牽引してゆきます。


ゼーアドラーの性能

マリア:さて、この〔ゼーアドラー〕の特性はやはり「固定翼機とヘリの良いところ取り」に尽きると思います。

真:やっぱり性能も何でもできちゃうの?

マリア:ええ、紺碧さんから頂いた資料によると。

  1. 固定翼機並みの航続力と飛行速度
  2. 通常艦艇でも運用可能な、ヘリ並みの垂直離着陸能力
  3. ヘリの様にホバリングが可能
  4. 20mmバルカン砲を始めとして、対戦車ミサイル、ロケット弾、磁気探知機や対潜爆弾、対空・対艦ミサイルなど豊富な武装

ことは:もうみんなこいつひとりで以下略!

マリア:「汎用性」という部分で、〔ゼーアドラー〕を超えようと思ったら、もう水に潜るかドリルでも付けないと無理なんじゃないでしょうか。

真:そんなに!

マリア:もちろん、便利な以上弱点も存在しますけどね。じゃあ順番に見ていきましょう。

固定翼機並みの航続力と飛行速度

マリア:まずひとつは「通常滑走能力」によるものですね。飛行場を滑走して揚力で飛行すると、離陸に必要な力が減りますので、その分たくさんの武器や装備が積めて、燃料も節約できます。

真:具体的には、どのくらい飛べるの?

マリア:最大で大型の輸送ヘリの4倍くらいですかね?

真:それは凄い……。

ことは:「良いところ取り」と言うのは、ヘリの特性と固定翼機の特性、好きな方を選んで使用できるというわけね!

マリア:はい。陸上基地からロケット弾をフルに積み込んで対地攻撃を行う事と、護衛艦や空母から飛び立って潜水艦を警戒する事。装備を積み替えるだけで同じ機体で可能です。

ことは:ドン・エスカルゴフライマンタファンファンを合わせたような……。

真:もういいからそう言うネタ!

軍艦でも運用可能な、ヘリ並みの垂直離着陸能力

マリア:2はもちろん護衛艦や巡視船への搭載です。一般的な艦艇が持つヘリコプター用の小型飛行甲板でも運用できます。

真:巡視船にも積めるんだね?

マリア:はい、攻撃ヘリの特性を兼ねる〔ゼーアドラー〕は横幅がスリムですので、主翼を折りたためば実にコンパクトです。流石に構造上、模型は翼を折りたためないので、こちらの画像を参考にしてください。

空母〔ヨークタウン〕に格納されている〔ヘルキャット〕戦闘機

真:なんだか鳥が羽を休めてるみたい。

マリア:これならサイズを小さくできますから、小型の格納庫でも積み込めるのです。

ことは:護衛艦よりも小さな巡視船にも積めてしまうという事ね。

マリア:『真秀ろばの国』世界の海上保安庁は設立の経緯が異なり、組織も使っている船も大きいですけどね。マークも読者さんの世界とは違うでしょう?

真:本当だ!

ことは:この辺は小説本編で解説があると思うわ。

マリア:こちらの世界では、海保は準軍事組織として北日本からやって来る工作員の逮捕や、逃亡してくる難民の保護などを行っています。当然これは海自と合同で行われますが、北との軍事衝突のリスクが常にある日本国にとって、正面戦力を警備任務に取られるのはそれなりの負担と考えられたんですね。

ことは:それはそうよね。戦争用の高価な装備で、木のボートに乗った工作員を追いかけるんだもの。

マリア:ところが、〔ゼーアドラー〕があれば状況は一変します。航続距離が長いので、1隻あたりでフォローできる範囲が広くなり、少ない数の船で洋上警備が行えるようになりました。浮いた分の戦力は対北日本用に張り付けておくことも出来れば、ローテーションで休息を取らせることも可能です。

ことは:後方の部隊にお金をかける事で、正面戦力もアップするのね。

マリア:もちろん航空母艦や強襲揚陸艦にも搭載できますので、運用の幅はぐっと広がります。

真:うへー、チートだねー。

ヘリの様にホバリングが可能

マリア:3は対潜任務や対地攻撃で威力を発揮します。

ことは:潜水艦はわかるわ。同じ場所に留まった方が探知しやすいからホバリングは有利よね。

マリア:対地攻撃も基本的に同じですね。地上に展開する車両やゲリラコマンドをピンポイントで狙い撃つのはホバリングが有利です。あとは、僚艦が撃沈されたり、民間船が遭難した時の救難任務に使えなくもないですね。要救助者が乗り込むスペースが無いので最後の手段ですが。

真:ここまで見てきたけど、既に十分すぎる程強力なんだけど……。

マリア:その辺り小説作者の紺碧さんと、この記事を書いているはぎわらで随分議論があったようです。ですが「敢えてチートに振り切る」方向に進むことにしたみたいですね。

真:何でまた?

マリア:メカニックに対するスタンスの違いからですね。また詳しく語る事もあると思いますよ。

20mmバルカン砲を始めとして、対戦車ミサイル、ロケット弾、磁気探知機や対潜爆弾、対空・対艦ミサイルなど豊富な武装

ことは:もうできない事は戦略爆撃とジェット戦闘機と空戦する事くらいじゃないの?

マリア:戦略爆撃は流石に無理ですね。ジェット機との戦いは隙を突けばワンチャンスあります。撃ちっぱなしタイプの〔アムラーム〕ミサイルが積めますので。

ことは:(;゚ Д゚) …!?

真:うわぁ、ことはの突っ込みより現実の方が凌駕してる。

マリア:攻撃用ミサイルも、定番の〔ヘルファイア〕対戦車/対舟艇ミサイルに加えて、〔ペンギン〕対艦ミサイルが運用できます。まさに隙なしですね。自衛隊だけでも〔ゼーアドラー〕1機種で、5機種分くらいの任務は賄えるんじゃないでしょうか?

ことは:完全にバランスブレイカーじゃないの? まさにデウス・エクス・マキナ……。

マリア:さて、どうなるでしょう。後編では〔ゼーアドラー〕の現場での評価を見てみますよ。

真:また上げて落とす奴じゃないよね?


後半に続く