アリアンロッド・リプレイ「若き藩主と3人の義士」(中編)


 昼夜を通じて、タケノジョウの警護を行う一行。
 そんな中、マツチヨが「ある提案」をする。
 彼の主人を思う真心に心動かされた一行は……。


ミドルフェイズ01

ヨエモン:しかし、マツチヨ殿の忠義は立派だが、いささか心配でござるなあ。このままでは、本当に殿の身代わりになってしまうでござる。

GM:そんなヨエモンの心配を知ってか知らずか、マツチヨが皆さんに相談してきます。

GM(マツチヨ):「もうすぐ若様の誕生日が近いのです。若様を喜ばせるため、協力して頂けませんか?」

ヨエモン:「承知。爆誕祭、しかと承ったでござる」

コウハクサイ:「しかし、あまり派手には出来ませんよ?」

ヨエモン:「一国の若殿の誕生日祝いでござる。あのニキ・タダマサなんぞの圧力に負けてはならんでござる。花火でござるよ」

GM(マツチヨ):「若様は桜餅が好物なので御座います」

タマヨ:「ああ、美味しいよねあれ」

GM(マツチヨ):「まだ奥方様がご存命だった頃、先代様と3人で菩提寺参拝にお忍びで城下へ訪れた時に、3人で食べた思い出の味だとか。季節外れですが、私と城下で桜餅を探しては頂けませんか?」

タマヨ:「そんな事なら、お安いご用よ」

ヨエモン:「マツチヨ殿の名とあれば異存なし。もししくじれば、このヨエモン。腹掻っ捌いてお詫び致す所存!」

GM(マツチヨ):「あ、ヨエモン様は、若様の警護をお願い致します」

ヨエモン:「あ、あれ?」

GM:ヨエモンはマツチヨとはコネクションがありますが、タケノジョウとはまだ親しくないので、一緒のシーンでコネを作ってもらおうと言う配慮です。

ヨエモン:「承知致した。軍師殿、ホシゾラ殿、どうかマツチヨ殿の事をよろしゅうお頼み申す。もしマツチヨ殿に何かあれば、お分かりでござるな?(笑顔)」

 

 

 

■ミドルフェイズ02

 

GM:ではまずタマヨとコウハクサイのシーンです。桜餅を探して和菓子屋を回ります。

コウハクサイ:しかし、ヨエモン殿は、何というか、すさまじいな(笑)

タマヨ:「でも頼りになるよ?」とお団子食べながら。

コウハクサイ:「いつの間に?」

GM:まあ、めったに外出出来ませんからね。外食するチャンスではあるかも知れません。

タマヨ:「あ、1本食べる?」

GM:マツチヨは2人に話しかけてきます。

GM(マツチヨ):「父が申しておりました。『ホシゾラ殿は、先代様に何度も諫言し、それが受け入れられず遠ざけられても、変わらぬ忠義を尽くしておられる。ホシゾラ殿こそ誠の忠臣』と。また、『シミズ殿は有り余る才を持ちながら、それを活かすことが出来ずとも、若様の護衛に全力をつくしておられる。あの方もまた武士の鑑。お前も、お二人のようにタケノジョウ様にお仕えするのだ』と」

コウハクサイ:生活に困って士官しただけなのに。恥ずかしくなっております。

タマヨ:「そんなこと無いよ。みんな大好きだから」

GM(マツチヨ):「私もお2人や父上、ヨエモン様の様な武士になれるでしょうか?」

タマヨ:「じゃあ私が剣の稽古つけてあげるよ」

ヨエモン:「それは、拙者の役目だったのにぃ(笑)」

GM:さて、目標値9の【幸運】判定に成功すると、季節外れの桜餅を手に入れる事ができます。

コウハクサイ:14です!

タマヨ:15!

GM:では形の良い桜餅が2つ手に入ります。

タマヨ:「やったー。これなら喜んでくれるね」

コウハクサイ:「よく手に入ったな」

GM(マツチヨ):「お二人のおかげでございます」

コウハクサイ:「貴公の日頃の行いが報いられたのであろう」頭をなでます。

GM:照れくさそうに笑います。

ヨエモン:「おのれ、それも拙者の役目だったのにぃ(笑)」

GM:3人が城門に向かったところでシーンを切ります。

 

 

■ミドルフェイズ03

 

GM:ヨエモンはタケノジョウの遊び相手になっています。

ヨエモン:「お馬さんでござるぞ、お馬さんでござるぞ(笑)」

GM:いや、9歳ですから! そこまで幼くないから!

ヨエモン:じゃあ、読書をしましょう「孫氏いわく……」

GM:タケノジョウは真面目に講義を受けますが、休憩の時に聞いてきます。

GM(タケノジョウ):「マサは話してくれんが、ユキヒデの容体はどうなのだ?」

ヨエモン:目を伏せて言います。「若、それを聞く覚悟はおありか?」

コウハクサイ:ええー!(笑)

GM:どうあってもユキヒデを殺す気ですか?(笑)

ヨエモン:まずい。このままだとユキヒデ殿が死んでしまう(笑)じゃあ笑って言います。「そのような顔をなさるな。今のは冗談でござる」

GM:その冗談は通じなかったようです(笑)。

GM(タケノジョウ):「そうか、俺はマサとマツチヨから、大切な家族を奪ってしまった」

ヨエモン:「違うのでござる! 冗談! まじ冗談すから!」

 ……ってニンジャのしゃべり方何処へ行った(笑)。

「大丈夫でござる。ユキヒデ殿は天下に轟いた豪勇。病の一つや二つ平気でござる。こうして拙者が参ったのも、ユキヒデ殿が多忙ゆえの代役と申しましょうか……」

GM(タケノジョウ):「そうか、ユキヒデはやはり……」

ヨエモン:悪くないって言ってるでしょお!(一同爆笑)

GM(タケノジョウ):「それでも2人はそんな事を俺に悟らせぬよう、笑顔で接してくれる。申し訳なく思う」

ヨエモン:「そこまでおっしゃるのならば、隠し立てはしますまい。若があの方々に報いるすべはひとつだけ。それは決して、その命を粗末にすることでも、腹を切ることでも御座りませぬ。腹を切るのは拙者の役目(笑)。よき君主となることだけが、ユキヒデ殿に報いる唯一の道でござる」

GM(タケノジョウ):「それでも俺はこの藩を皆が笑って過ごせるようにしたい。2人はそれに協力してくれるという。だから俺は立ち止まるわけにはゆかぬのだ」

ヨエモン:「仰るとおりにござる。そこまで分かっているのであれば、もはや拙者から言う事はございませぬぞ」

GM(タケノジョウ):「話が長くなってしまったな。続きを頼む」

ヨエモン:「承知。では教科書38ページから……(笑)」

GM:そんなこんなで過ごしていると、ヨエモンのファミリアが、タマヨとコウハクサイが帰って来たことを知らせてきます。

ヨエモン:ムカデがしゅるしゅる体を這い回ります。「そうか、皆が帰って来たか」

コウハクサイ:それ、小さい子相手だとトラウマになるから(笑)

GM:ヨエモンはタケノジョウをマサに預けて、内側から桜餅を持ち込めるよう手引きします。

具体的には、全員で【器用】判定をして、合計が25以上なら、問題なく持ち込めます。

ヨエモン:拙者【器用】判定は得意でござるよ(ダイスを振る)出目が6で10? 後は頼んだでござる(がくり)

タマヨ:11です。

コウハクサイ:ならファンブルしなければ大丈夫……成功!

GM:では皆さんは桜餅を持ち込むことができます。

ヨエモン:凧にぶら下がって餅を運ぶでござる。まて、お堀を潜っていったほうがかっこいいか?

タマヨ:桜餅が濡れちゃうでしょ(笑)

 

 

 

■ミドルフェイズ04

 

GM:ここでマスターシーンを挟みます。

 

 マスターシーンとは、PCが登場しないシーンで、主に幕間の演出や、NPCの状況、PCが介入できない事柄を描写するなどといったシーンにあてられる。

 基本PCは登場できず、どうしても登場したい場合、GMの許可がいる。

 

タマヨ:何だか嫌な予感がするわ。

 

 ようやく手に入れた桜餅を胸に抱え、息を切らせてタケノジョウのもとへ駆け寄るマツチヨ。

「あの、若様、これを……」

 手渡そうとした声を遮ったのは、小姓だった。

「ご家老のニキ・タダマサ様がお越しです。ホクト藩のキバ・メゴヒメ様をお連れになったとの事で、殿にお目通りをとの事です」

 

GM:キバ・メゴヒメは公式のNPCです(東方ガイドのP105を見せる)。ホクト藩の藩主で、タイクーンの治世を妨害しようとあの手この手を使っているようです。

ヨエモン:わー、面倒くさそうな奴が来た。

GM:彼女は反タイクーン派の筆頭ですので、皆さんとは相いれない存在ですね。

ヨエモン:おのれニキ・タダマサ。隙を見せたらこの場で一刀のもとに切り捨ててくれる。

GM:マスターシーンですので。

 

メゴヒメと言えば、タダマサ一派とつながっているという噂がある。更に、親タイクーン派のナグモ藩とは潜在的な敵対関係にある。一同に緊張が走る。

 

ヨエモン:GM、拙者いつでも登場できるように、屋根裏に潜んでていいですか?

GM:どうぞ、他の皆さんも隣室で控えていていいです。マツチヨも退室します。

 

 

 退出するマツチヨをマサが呼び止める。

「マツチヨ、貴方は隣で控えていなさい。イザという時は、貴方が若様を守るのですよ」

「はい、母上」

マツチヨは神妙に頷いて退室する。

 やってきたメゴヒメは、女傑といった風体の人物だ。しかし、今はその風体も、マサ達には胡散臭く感じた。

一方、いかにも切れ者、といった感じのタダマサはへりくだったように、タケノジョウに挨拶する。

「これはこれは殿。ご機嫌麗しゅうございます」

 挨拶を済ませると、メゴヒメは小姓に、贈り物を運ばせる。

「かしこまる必要はないよ。藩主同士気楽に行こうじゃないか。今日は贈り物を持ってきたんだ。オオドの名店から取り寄せた菓子だよ。さあ、食べてご覧」

「それではお毒味を………」

 菓子を下げようとしたマサに、タダマサが異議を唱える。

「おや? まさかホクト藩からの贈り物に毒味を必要といたしますか?」

「それとも、あたしが毒を入れたとでも?」

 2人はにやにやと笑いながら、退路を断ってゆく。

「そ、それは…………」

 マサの頬を、汗が伝った。

 

ヨエモン:天井裏でこぶしを握ってます。「ぐぬぬぬぬぬ!」

 

タダマサの策は、メゴヒメを巻き込む事で、タケノジョウに無理やり毒を食べさせる事ではないかと思われた。

 マサも藩主相手に毒味を強行する訳にも行かず、八方ふさがりである。だからこそ、この菓子はますます怪しいと感じる。

 タケノジョウが恐る恐る菓子に手を伸ばそうとした時、隣室で控えていた、マツチヨが駆け込んでくる。タケノジョウの菓子をひったくって一口にすると、菓子の箱を蹴飛ばしてひっくり返してしまう。

その時、「うっ!」 マツチヨが急に苦しみだす。

次の瞬間、「無礼者!」とタダマサが刀を抜き、マツチヨを切り伏せてしまう。室内は鮮血に染まった。

 

GM:というわけで皆さん登場してかまいません。

ヨエモン:「マツチヨ殿ぉー!」

タマヨ:「チヨちゃん!」

コウハクサイ:私は「申し訳ございません。この場は一旦、お引き取りを」と頭を下げましょう。

GM(メゴヒメ):「どこのどいつか知らないが、手癖の悪い餓鬼だねえ」とマツチヨを嘲ります。

ヨエモン:「このぉ!」

タマヨ:刀に手をかけます。

コウハクサイ:2人を手で制して、謝り続けます。「平に、平にご容赦を!」

 

タケノジョウは気丈にも、涙をこらえながら謝罪の言葉を絞り出す。

「じゅ、従者が無礼を働いた段、お詫び申し上げます……」

マサも、呆然としながら、自分の役目を全うしようとしている。

「た、タダマサ様の刀を血で汚してしまい、申し訳…うっ、うっ」

 

ヨエモン:怒れないね。これは。

タマヨ:刀にかけた手を外して、謝ります「お許しください」

GM(メゴヒメ):「あーあ、菓子が血で汚れちまったよ。片付けな」と自分の小姓に片づけさせます。

コウハクサイ:「いえ、それはこちらが」

ヨエモン:「医者は! 医者は何処でござるか!」とマツチヨ殿を背負って廊下を走り回ります。

GM:そのドタバタの隙に、メゴヒメの小姓は菓子を片づけてしまいます。ちょっと【感知】判定してみてください。

ヨエモン:拙者は医者を探してるので、判定しません。

タマヨ:(ダイスを振る)12!

コウハクサイ:クリティカル!

GM:2人とも分かります。マサが謝るふりをして、菓子を1つ、すっと袖口に入れます。

コウハクサイ:流石マサ殿。

GM:タダマサとメゴヒメは、にやにやと笑いながら帰ってゆきます。

ヨエモン:(タダマサになって)「不愉快じゃあ失礼する。これからは家臣をしっかりと選びなされよ」みたいな。

コウハクサイ:2人が帰るのを見届けてから、キレます。「不愉快はこっちの方だ!」どーんと机をひっくり返して。

 

 

 

■ミドルフェイズ05

 

GM:その直後のシーンです。全員登場で。

タマヨ:チヨちゃんの手を握って励まします。「頑張って!」

GM:藩主派のアコライトが《ヒール》しますが、手を止めて、首を振ります。

ヨエモン:「お願いでござる! マツチヨ殿を助けてくだされ! 拙者の血でも心臓でも、何でも使って構わぬから!」

 

 マツチヨは、消えかけた命を振り絞って、タケノジョウを手招きする。

「マツチヨ! 俺はここにいるぞ!」

 タケノジョウがマツチヨの手を握る。マツチヨは頷いて、消え入りそうな声で言う。

「タケノジョウ様、良き君主に……おなりください。母上……先立つ親不孝を、お許し……」

 すっと、マツチヨの腕から力が抜ける。

 それが、齢9歳の忠臣が残した、最後の言葉だった

 

ヨエモン:「ユキヒデ殿! 拙者は友の頼みを果たすことが、出来なかった!」

コウハクサイ:拳を握りしめて、マツチヨの最後を看取ります。

タマヨ:「ニキ・タダマサ! キバ・メゴヒメ! 絶対に、絶対に許さない!」

 

 

 

■ミドルフェイズ06

 

GM:あれから、マサはマツチヨの亡骸を前に1人話しかけています。

ヨエモン:では拙者は白装束に着替え、腹を掻っ捌こうと……誰か止めてぇ(笑)

タマヨ:私は部屋で1人泣いています。

コウハクサイ:なら私が止めましょう。「ヨエモン殿。死ぬ前にワタシの策を聞いてほしい」

ヨエモン:「止めんで下され! これではユキヒデ殿に合わせる顔がない!」

タマヨ:「やめてよー!」ヨエモンをどーんと突き飛ばします。

ヨエモン:「ぐはあ!」吹っ飛ばされて、屏風に上半身を突っ込みます(笑)

GM:タケノジョウは、桜餅を噛みしめて、泣いています。

GM(タケノジョウ):「甘いはずなのに、どうしてこんなにしょっぱいのだ……うっ、うっ」

タマヨ:かける言葉が見つからない。

GM(タケノジョウ):「なあ、タマヨよ! こんな理不尽な話があるか! 俺はこの藩を皆が笑って暮らせるようにしたいだけなのだ。マツチヨはそれを手伝ってくれると約束してくれた。そんなマツチヨが何故死なねばならんのだ! 頼むみんな! マツチヨの仇を討ってくれ!」

コウハクサイ:「御意!」

ヨエモン:「もはやタケノジョウ殿のお言葉は聞けませぬな。拙者の忠義はマツチヨ殿にあった。そなたではない。しかし、そのマツチヨ殿が誅された以上、このヨエモン、黙ってはおらぬ!」

GM(タケノジョウ):「すまない」

GM:マサが泣きはらした顔でやってきます。

GM(マサ):「コウハクサイ様、マツチヨの遺体を医者に見せれば、きっと毒が見つかるはず。マツチヨが命をかけて作ってくれた切り札を使ってやって下さい。それから、あの時私が、マツチヨが食べた菓子を1切れだけ回収しました。これも使って下さい」

コウハクサイ:かたじけない。

GM(マサ):「それにしても、なんという母親でしょう。息子が死んだのに、これからのことを考えるだなんて」

GM:と言って、またさめざめと泣きます。

ヨエモン:「マサ殿。拙者はそなたほど母親らしい母親を知らぬ。あの時とっさに証拠を押さえたのはまさにマツチヨ殿の遺志。そなたはそれに応えた。これ以上に立派な母親があるものか」

GM(マサ):「ありがとうございます」

タマヨ:「マサおばちゃんが我慢したから、私も耐えられたんだよ」

ヨエモン:「許せぬのはニキ・タダマサとキバ・メゴヒメ。だがそれ以上に許せんのは、このヨエモンよ! このままではユキヒデ殿に合わせる顔がない! 拙者はナグモ家の者ではないが、そなたらの旅に同行させてもらう! 嫌とは言わせぬ! 嫌というのならこの場で腹を切る!」

コウハクサイ:新手の脅しですね(笑)

ヨエモン:「マサ殿、自分を責めるでない。もし責めるのであれば、ユキヒデ殿の頼みを受けながらマツチヨ殿を守れなかった、このヨエモンを恨むとよい」と言って、小太刀を手渡そう。「いつでもこのヨエモンを刺すが良い」

GM:では……。

ヨエモン:(GMの反応を聞く前に)「ぐわっ! く、クライマックス、出たかった。ぐふっ!」死にました(笑)

一同:死ぬなっ!(笑)

GM(マサ):「いいえ、マツチヨに良くして頂いて、ありがとうございました」

ヨエモン:「これこれ、仇に礼を言うものではない」

タマヨ:私は実家に仕舞ってある、菊一文字を手にします。

「今こそこれを使うとき。チヨちゃんの仇を取り、みんなが笑って暮らせる国を作るんだ!」

コウハクサイ:わたしもタケノジョウ様に策を献上しましょう。

「殿、もしかするとナグモ60万石はお取り潰しになるかもしれませんが、乾坤一擲の策があります」

GM(タケノジョウ):「言ってみてくれ」

コウハクサイ:「タイクーン様への直訴を考えております」

ヨエモン:お、ハンドアウトをここで拾った!

GM(タケノジョウ):「それでマツチヨの仇を取れるのだな?」

コウハクサイ:「成功すればです。もししくじればナグモ藩はお取り潰し、もしくはタダマサの物になりましょう」

GM(タケノジョウ):「構わぬ! 友情を蔑ろにして、今の地位に居たいとは思わぬ!」

コウハクサイ:「かしこまりました」と言ってマサ殿に目配せします。

GM(マサ):「実はオオドでは、コウハクサイ様の発案で、藩主派の忠臣ナカムラ・ジュウエモン様が、タイクーン様にタダマサを訴える為、証拠集めをなさっています。ジュウエモン様に証拠を届ければ、きっとタダマサを有罪に出来るでしょう」

タマヨ:「よし! やろう!」

 

 5人は手を合わせて反撃を誓う。

 国の為、藩の為、そして、亡き友の為に。

 

 

 

■ミドルフェイズ07

 

GM:さて、ここから先は探索シーンです。情報収集で、タダマサの尻尾を掴んでください。

ヨエモン:タケノジョウ様は、マサさんに預けるでいいの?

GM:はい。あるいはついて回らせる事も想定しています。

コウハクサイ:ストーリー的には一緒に行動した方がいいですよね。でも戦闘になったら守らないといけない。

GM:でも、皆さんがいない間襲撃される事を考えると、どちらが安全とは言い切れませんね(笑顔)

タマヨ:うーん、よし、何かあったら私が《カバームーブ》で守るよ!

GM:では同行させるという事で。

ヨエモン:ではマサ殿には替え玉を立てて貰おう。

GM:さて、マツチヨの遺体ですけど、2か所に持ち込めます。1つは皆さんが懇意にしている町医者。もう1つはナグモ藩の御典医です。

ヨエモン:聞くまでもないな。御典医は家老と繋がっている可能性がある。

GM(町医者):町医者が一通り診察した後言います「間違いない。これはトリカブトの毒ですね。ですが、タイクーン様に提出するなら、私の診断書では信用されないかと思いますよ。少なくとも、御典医クラスでないと、タイクーン家の方々には見てくれないかと」

あと、回収した菓子にもこれにもトリカブトが入っていると分かります。

ヨエモン:うーん、しょうがない、典医を口説き落とすしかないな。

コウハクサイ:うわさを聞いて回りましょう。何か判定はいりますか?

GM:有名な話なので、必要ないです。家老に資金援助されているようです。

ヨエモン:ひゃっほう! 真っ黒だ! じゃあ、他の藩を頼るのは?

GM:お裁きまで時間がないのと、藩同士の争いに巻き込まれたくないと、断られる可能性大です。

ヨエモン:うーん、じゃあ何か弱みを握っていう事を聞かせるとか?

GM:ここから先は調べないといけないので、【知力】で振ってみてください。目標値は12。

一同:成功!

GM:典医はどうやら、タダマサの遠縁らしいです。その為、資金をたっぷりと融通してもらって医者になれたようですね。下手に脅すとタダマサに報告が行く危険もあります。

ヨエモン:じゃあ弱みを見つけるのは無理があるなあ。

タマヨ:代わりの医者を探さないと。

コウハクサイ:町医者は何か知らない?

GM:噂を知っています。確かに、タイクーン家にとって権威ある存在なのは、御典医クラスの医者ですが、ある流れの医者が、先代タイクーンの難病を治した事があるという噂があります。彼の言うことならタイクーンも信じるでしょう。

タマヨ:その医者の名前は?

GM:そこまでは分からないです。

コウハクサイ:情報屋を使います。

GM(情報屋):「あんたの頼みじゃしょうがないな。ただし、情報料に80G貰おうか」

コウハクサイ:「よかろう。だが、確かな情報を頼むぞ」

GM:とある重臣の息子が、現在事故で重傷を負っています。御典医もさじを投げましたが、その重臣はとある流れの医者を破格の待遇でナグモ藩に呼び寄せたといいます。ただし、その重臣は家老派ですね。

ヨエモン:その重臣が情報を握っているのか。

GM:まあ、情報統制されているかどうかは分かりませんので、上手く情報を取りに行ってください。

タマヨ:うーん。

 

 GMは「その重臣の使用人に袖の下を与え、聞き出す」といった方法を想定していた。

 しかし、ヨエモンが、とんでもないアイデアを打ち出す。

 

ヨエモン:じゃあその重臣の枕元に立とうか! 口を押えて「声を出すな。聞きたいことがある」って。

GM:それをやるなら、かなり高い目標値が必要になりますが?

ヨエモン:やばいかな? でも決まったらカッコいいですよね。

コウハクサイ:ブレッシング》ありますよ?

ヨエモン:じゃあ、やってみていい?

GM:目標値15の【器用】判定で。

ヨエモン:どれどれ……(ダイスを振る)8。「曲者じゃあ! 出会え出会え!」(一同爆笑)

GM:じゃあ、追いまくられてMP5点を失います。

ヨエモン:「何者じゃ! 吐け」

バシッバシッ!

「お、おのれぇ!」

タマヨ:なんで正面から向かっていったのか分からない。

GM:ていうか僕、捕まるなんて一言も言ってないんですが……。

 

 勝手に窮地に陥ってゆくヨエモン。

 GMのあずかり知らぬところで、囚われの身となってしまう。

 ど、どーすんだこれ(笑)

 

ヨエモン:ズタボロの状態でタマヨ達に救出されます。

「せ、拙者、吐かなかったでござる。おのれ、さんざん竹の棒で拙者を殴りおって」

タマヨ:傷薬をあげましょう。

ヨエモン:「酷いんだ水攻めとかさあ。水車に縛り付けられてぐるんぐるん回る回る。あとあれが酷かった。膝に石を乗せてく奴。3つまでは大丈夫だったんだけど4つからがつらかった(笑)」

タマヨ:馬鹿正直に信じてガタガタ震えます。

コウハクサイ:おかげで状況が悪くなったぞ。

ヨエモン:そうだ、マツチヨ殿の仇を討たなくては。拷問されてる場合じゃない(笑)

GM:で、具体的にどうします?

ヨエモン:町医者はその流れの医者について知らないの?

GM:噂は聞いた事があるそうですが、それ以上はわかりません。

コウハクサイ:確実ではないが、吟遊詩人とかに情報を流してみるか。

ヨエモン:吟遊詩人いるのか? 琵琶法師じゃなくて?

コウハクサイ:東方ガイドにそう書いてありますので。

GM:でもそのやり方だと、敵に情報が洩れるかもです。

コウハクサイ:どの道ヨエモンが捕まって、こちらが動いてることはバレてます。こうなったら時間との勝負です。

GM:分かりました。では【幸運】判定で3人合計25になったら情報が貰えます。下回った場合、今後の判定にペナルティが付きます。

タマヨ:お、目がいい! 15!

コウハクサイ:11!

ヨエモン:8で成功!

GM:成功です。情報は以下の通り。医者の名はブラック・チャックというらしいです。

ヨエモン:まんまじゃねえか! 酷いネーミングセンスだ(笑)

 

 ブラック・チャックとは、「リプレイ・ブレイド」にちらっとだけ登場する医者である。

 このネーミングセンスは決してはぎわらのものではない事を、ここで強調しておく(笑)

 

GM:手術は昨日行われ、成功したそうです。ナグモ屋という牛タン屋を気に入り、良く顔を出すようですね。

コウハクサイ:では行ってみよう。

 

 

 

■ミドルフェイズ08

 

GM:ナグモ屋を見つけて、牛タンを食べながら待っていると、薬箱を持った男が入ってきます。

タマヨ:牛タン美味しい。パクパク(←気づかない)

コウハクサイ:「こら!」

タマヨ:「ご、ごめん(笑)」

コウハクサイ:話しかけましょう。

「先生、お願いがあるのですが」

ヨエモン:拙者、ブラック・チャックの背後に回って退路を塞ぐでござる。

GM:ブラック・チャックは、後ろに立つヨエモンをちらりと見やると、コウハクサイに視線を戻して言います。

GM(ブラック・チャック):「ずいぶん手荒な歓迎だな。まあいいだろう。話を聞こう」

ヨエモン:「まず、拙者の傷を癒してほしい(笑)」

GM:赤チンを投げつけられます(笑)

ヨエモン:「ぎゃあ、目に入ったぁ(笑)」

コウハクサイ:あの、本題に入っていいですか?

「是非とも有能な若い藩主の為に力を貸してほしい」

GM:それで、皆さんの素性が分かったようです。

GM(ブラック・チャック):「うーん、しかし私は家老派に雇われているからなあ。不義理をするわけにもいかんし……。」

コウハクサイ:「手術は終わったのでしょう? なら契約は満了したと判断します」

GM:ブラック・チャックは少し考えて言います。

GM(ブラック・チャック):「よし、では条件を出そう。今受けている依頼に必要なものを取ってきて欲しい。患者に体力をつけさせるため、スーパーゴールデンタルタル牛の牛タンを探して欲しいのだ」

タマヨ:「スーパーゴールデンタルタル牛!(キラキラした目で)」

ヨエモン:目の色を変えた女がいる(笑)

コウハクサイ:我々が知っているかどうか、判定しても良いですか?

GM:【知力】でどうぞ。

タマヨ:(ダイスを振る)8。何のことやら(笑)

ヨエモン:(ダイスを振る)15。はっはっは。さっき出ろバカヤロー(笑)

コウハクサイ:(ダイスを振る)えっと、14です。

GM:ヨエモンとコウハクサイは知っています。スーパーゴールデンタルタル牛とは、タルタル・ハンで放牧されている希少な牛で、ダイワにもごく少数が輸入されています。特に牛タンはここナグモ藩によく出回っているという話です」

GM(ブラック・チャック):「これがあればどんなに弱っている病人も一発で精力がつく。見つけるには根気と、幾ばくかの運が必要だが、よろしく頼む」

ヨエモン:なあに、造作もない事でござる。

コウハクサイ:分かりました。その代わり、よろしくお願いします。

GM:スーパーゴールデンタルタル牛を見つけられるかどうか、FS判定をやって頂きます。

ヨエモン:来たでござるな!

 

FS判定とは、「敵のひしめくダンジョンを突破する」「難しい交渉を成し遂げる」といった、一つの判定では難しい試練を、連続した判定で行うルールである。

 具体的には、「目標値12の【知力】判定」等、GMが指定した難易度の判定を行動値順に行い、成功すると、「進行値」という値が上がってゆく。

 使用する能力値は途中で変更する事があるので、皆で協力して、得意な能力を使えるよう、調整しなければならない。

 進行値が最大値まで進むと、FS判定は終了となる。

 今回は、全員がダイスの出目に恵まれた事もあり、危なげない展開となり、無事FS判定を突破したのだった。

 

GM:皆さんがゴールデンタルタル牛を、ナグモ屋まで持って行くと、ブラック・チャックはマツチヨの診断書を書いてくれます。

GM(ブラック・チャック):「これは間違いなくトリカブトだ。私が保証しよう。タイクーン家の人間なら、この診断書は必ず信用するだろう。武運を祈る」

コウハクサイ:かたじけない。

GM(ブラック・チャック):「ところで、私の仕事は以上か?」

ヨエモン:え?

タマヨ:「どういう意味かしら?(しばし考える)」

GM(ブラック・チャック):「もう仕事がないならそれでいい。私は失礼する」

コウハクサイ:「ちょっと待った! 病床の方がもう一人居ます!」

ヨエモン:そうだった! ユキヒデ殿の事を忘れていた!

「チャック殿、頼みたい仕事がもう一つござる。拙者の友にハラダ・ユキヒデと言う男がござってな。金はないが、また労働で返すでござる」

GM:タケノジョウが言います。

GM(タケノジョウ):「タダマサを打ち負かしたら、奴が握っている予算を使えるようになる。そこから捻出しよう」

ヨエモン:「拙者友のためなら、身ぐるみ剥がされても構わないでござる」

GM:忘れてたくせに(笑)

ヨエモン:「(裏返った声で)お、覚えておったぞ! 今のは皆を試したでござる(笑)」

GM:ブラック・チャックは次の依頼として、ユキヒデの治療を受けてくれます。

ヨエモン:「かたじけない」

GM:その代り、もしも皆さんが家老派に負けたら、仲良く内蔵を売ってもらう事になりますけどね(笑)

ヨエモン:「その時はこのヨエモンが腹を掻っ捌いて……」

GM(ブラック・チャック):「金にならんことは要らん」

ヨエモン:「いや、ハラキリショーは外国では結構ウケるでござるよ。なんか見られてると興奮するし(笑)」

GM:では、情報収集は以上です。タケノジョウも自ら、タイクーンのおひざ元であるオオドに赴く事を決意します。

GM(タケノジョウ):「評定所に沙汰を訴え出る! しかし悔しいが今の俺では自身の身さえも満足に守りきれぬ。どうかお主たちの力を俺に貸してくれ!」

ヨエモン:「言われるまでも無し! マツチヨ殿の遺志はこの胸にあり!」

タマヨ:「みんなでタダマサをやっつけましょう!」

コウハクサイ:「では御下命を!」

GM(タケノジョウ):「只今より、オオドに向かう」

一同:「御意!」

 

 

■ミドルフェイズ09

 

GM:さて、皆さんはオオドに辿り着きます。これからジュウエモンと合流して、作戦会議ですが、昼食を食べるくらいの時間はあります。

タマヨ:「昼食! オオドの美味しいもの! きらーん!」

ヨエモン:「これこれ、物見雄山ではないのだから、観光は控えるでござる」

GM(タケノジョウ):「まあ良いではないか。戦いに備えて英気を養うのも大切なことだ」

ヨエモン:「その通りでござる!(笑) 緊張しっぱなしでは、いざという時まで持たないでござる。ここはパーッと遊ぶでござる」

タマヨ:「それで、どんなものが食べられるの?」

GM:うーん、リアルの江戸時代と同じだとすると、お金に余裕があるなら、現代と遜色ない料理が食べられるようですね。

コウハクサイ:江戸中期から、庶民にも醤油が普及して、味付けも充実してきますし、ファーストフード感覚で蕎麦や鰻、天ぷらなんかも食べられます。あくまでお金があれば、という条件付きですが。

ヨエモン:どうせ情報収集フェイズは終わったので、残りのお金を使ってしまうでござるよ。

タマヨ:「鰻……ごくり」

コウハクサイ:「鰻が食べたいのか?」

タマヨ:「食べたーい!」

GM:鰻は当時から高級品だから、10Gはしますよ?

ヨエモン:結構高いでござるな。まあ、出せない金額ではないでござる。

GM:では、街の人に案内してもらって、評判のいい鰻屋にやってきます。

タマヨ:「ムシャムシャパクパク! お代わり!」

コウハクサイ:「気軽にお代わりするな。高いんだから」

ヨエモン:芋をかじったり、牛タンを食べたり、鰻を食べたり、今日は食べてばかりでござるな。

GM:時代劇と言ったら食事に凝らないと。池波正太郎先生的に。さて、皆さんが食事を楽しんでいると、ガラの悪い一団がぞろぞろとやってきます。

GM(店主):「またあんたらか! 他の客に迷惑だ! 帰ってくれ!」

GM(ガラの悪い男):「おやおやー、いいのかい? そんなこと言って。今日こそ店を明け渡すか、借金を返すか決めてもらおうか?」

タマヨ:む、なんだか嫌な展開が。

GM(店主):「借りた金なら全額返したはずだろう!」

GM(ガラの悪い男):「金を借りるには利子ってやつが必要なんだよ! それとも、あちきに逆らうのかい? あちきはねえ、天下の大店、エチゴ屋の息子、トウキチだよ?」

コウハクサイ:(素に戻って)こいつ、バカ旦那かよ!(笑)

 

 バカ旦那とは、「リプレイ・ブレイド」に登場する悪党一味の一人である。

 結構悪辣なことをやっているのだが、行動が間抜けすぎて憎めない、三枚目キャラである。

 登場すると何故か、PCによって腕を極められるのがお決まりである。

 

GM(バカ旦那):「構うことはない! こんな店、ぶっ壊しちまいな!」

タマヨ:止めないと! 腰の剣に手を……。

ヨエモン:ここはばばーんと拙者の忍術で……。

コウハクサイ:「待ってくれ! ここで騒ぎを起こしたら、明日のお裁きに支障が出るかもしれない! 我々の戦いは乾坤一擲のものなのだ。些細なことで躓くのはまずい。ここは耐えてくれ」

タマヨ:「でも……」暴れる悪漢と、コウハクサイを交互に見ながら固まります。

ヨエモン:「くっ! 軍師殿のいう事はもっとも。しかし……」

GM:ここでタケノジョウがすっと立ちます。

GM(タケノジョウ):「構わぬ! 俺が許す! 戦ってくれ!」

コウハクサイ:「ですが……」

GM(タケノジョウ):「ここで自分の都合の為に、正しい事をしなかったら、俺がマツチヨに叱られる!」

ヨエモン:軍師殿に視線でどうするか尋ねるでござる。

コウハクサイ:仕方ない。頷いて返しましょう。「ただし、刀を抜くのは最後の手段にしてくれ」

タマヨ:「こんなチンピラ、素手で十分よ! 《トルネードブラスト》で一掃……(GMに)できます?」

GM:こいつらエキストラなので、タマヨにまとめて薙ぎ払われます。

ヨエモン:「拙者、出番がなかったでござる(笑)」

GM:その時、3人の隙をついてバカ旦那が匕首片手にタケノジョウに襲い掛かります。

GM(バカ旦那):「おのれ! こうなったら人質を……」

ヨエモン:「やばいでござる!」

GM:すると、横合いから飛び出してきた青年が、バカ旦那の腕をむんずと掴み、捻り上げます。

GM(バカ旦那):「あいたたたた!」

コウハクサイ:バカ旦那、やっぱり腕を極められるんですね(笑)

GM(青年):「大丈夫だったかな?」

ヨエモン:「おのれ、拙者がかっこよく助けるところだったのに!」

GM:バカ旦那一行は捕り方にしょっ引かれていきます。

コウハクサイ:青年はどんな人ですか?

GM:身なりのいい若侍です。ちょっと線が細い感じですが、整った顔立ちから聡明そうな印象を受けます。

コウハクサイ:(何やら気付いた様子)GM、この人が誰だか気付くか判定していいですか?

GM:いいですけど、目標値は高いです。【知力】で16が出たら誰だか分かります。

コウハクサイ:(ダイスを振る)駄目だ。出ません。

GM:では、何処かで見た気がしましたが、気のせいだったようです。

コウハクサイ:残念。

タマヨ:とにかくお礼を言わないと。「危ないところをありがとうございました」

GM(青年)「いや、大したことではない。それよりも皆さんの腕前、見事でした」

ヨエモン:「そうであろう。そうであろう」

タマヨ:「貴方、何もしてないでしょ?」

コウハクサイ:「しかし、この件で根に持って、仕返しされなければいいのですが……」

GM(青年):「大丈夫。しばらくは、私が目を光らせておこう。それよりも、ナグモ訛りの少年と凄腕の侍が3人、ひょっとして貴方がたは、タケノジョウ様の一行では?」

タマヨ:タケちゃんと青年の間に入ります。

コウハクサイ:「何故あなたがそれを?」

GM(青年):「なあに、オオドでは、地方の情報はよく集まるのです。庶民の間では、明日のお裁きでどちらが勝つか、話題になっていますよ」

ヨエモン:「ひょっとして拙者、有名人?」

GM:ええ、かなり(笑)

GM(青年):「しかし、圧倒的な勢力の家老派をお裁きで打ち負かそうとは剛毅な話ですね。負けるのが怖くないのですか?」

GM:青年は挑発するようにそんなことを言ってきます。皆さんを試しているようですね。

タマヨ:青年の目を正面から見つめ返して言います。「絶対勝ってみせます。それが、主との約束であり、亡き家族の望んだ事だと思うから。それでも負けた時は、地獄の果てまでタケノジョウ様を守り抜きます」

ヨエモン:「拙者は友との約束を守れなかった、愚かな男でござる。しかし、そんな拙者でもまだできることがある。タダマサを倒し、ナグモを良き国にする事。それがかなわぬ時は、この腹掻っ捌いて友に詫びるでござる。」

コウハクサイ:「私も、最初は生活の為に藩主派で働いているに過ぎませんでした。しかし、今はタケノジョウ様が作る国を見たいのです。そして、この手でそれを支えたい。それが私の望みです」

GM:そんな3人の言葉に、タケノジョウはにっこり笑って言います。

GM(タケノジョウ):「そんな皆がいるから、俺は頑張れるのだ。たとえこの命尽きようとも、支えてくれる皆の為、一歩も引く訳にはいかない」

GM(青年):「もう覚悟は決まっているのですね。では、私からひとつ、アドバイスを差し上げましょう」

タマヨ:「アドバイス?」

GM(青年):「はい。どんな逆境にも光明はあります。『もうだめだ』と思ったときは、とにかく粘る事です。そうすれば、逆転の目はありますよ」

GM:青年は、皆さんに一礼すると、颯爽と去ってゆきます。

コウハクサイ:いやー、何者なんだろう(棒読み)

 

 

 

■ミドルフェイズ10

 

GM:シーンは変わってオオドの評定所です。訴人(江戸時代の用語で、原告の事)として、ジュウエモンとタケノジョウ、皆さんがいます。反対側には、論人(同じく、被告の事)としてタダマサ一派が控えています。

ヨエモン:これから裁判ゲームでござるな。

GM:(頷いて)ジュウエモンは老齢の侍ですが、その相貌からは強い覇気と自負心を感じます。

GM(ジュウエモン):「皆よくやってくれた! これだけの証拠があれば、タダマサを追いつめられる!」

ヨエモン:「そうであろう。そうであろう」

GM:ジュウエモンの視線の先には、にやにやと笑うタダマサ一派がおります。

コウハクサイ:「やはり何か仕掛けてくるか……」

タマヨ:「絶対負けないわよ!」

GM:ところが、いざお裁きが始まると、タイクーンの座る席に、見知らぬ男性がどかっかりと腰を下ろします。

ヨエモン:「何者だ! そこはタイクーン様の席ぞ!」

コウハクサイ:男が何者か、【知力】で振ってみて良いですか?

GM:どうぞ。目標値は12くらいで。

コウハクサイ:(ダイスを振る)14です。

GM:ではこの人物が誰であるか、知っていていいです。男は尊大にふんぞり返ると、名を名乗ります。

GM(ゲンバ):「オオノキ・ゲンバである! 上様が多忙のため、この沙汰は拙者が担当させていただく!」

コウハクサイ:「貴殿は評定所の者では無かろう!」と怒鳴ります!

GM(ゲンバ):「黙れい! これは上意である!」

 

 オオノキ・ゲンバとは、「リプレイ・ブレイド」に登場する汚職官僚である。彼の地位は与力であり、ダイミョウ間の諍いを調停するような立場ではないのだが、役柄として適当だったので、あえて登場させてみた。

 

ヨエモン:ここは軍師殿に、すぱっと言い負かして頂ければ(笑顔)

コウハクサイ:上意なんて言われたら従う他無いですよ。ものすごい顔をして、タダマサを睨み付けます。「やってくれたな!」

 

確かに、現タイクーンは、ダイミョウ間の調停にやる気が無いという噂が立っていた。しかし、このような世間からも注目される裁きの場にすら出てこないのは予想外のことであった。何らかの作為を感じざるを得ない。

 

GM(ジュウエモン):小声で)「まずいぞ、オオノキ・ゲンバと言えば、賄賂次第で裁きの内容を捻じ曲げるという噂がある。タダマサめ! これを狙っておったか!」

ヨエモン:「おのれ! 謀りおったな!」って拙者、やっぱりやられ役でござる(笑)

GM(ジュウエモン):「しかし、こちらには動かぬ証拠があるのだ。何としてもタダマサの陰謀を立証せねば!」

GM(タケノジョウ):「恐れるな! こちらには、マツチヨが命と引き換えに作ってくれた、証拠があるのだ!」

タマヨ:「そうよ! 負けちゃダメよ!」

GM(ゲンバ):「さて、問状(といじょう)には家老のニキ・タダマサが、藩主のナグモ・タケノジョウを暗殺しようとしているという訴えだが、訴人(原告)はそれを証明できるのか?」

GM:ちなみに、「問状」とは、原告が被告を告発する文章です。昔の用語でそう言うのですが、面倒くさいので、ここから先は「被告」「原告」に自動翻訳されます(笑)

コウハクサイ:分かりました(笑)

 

 威圧するように、証拠の提出を求めるゲンバ。ジュウエモンはその視線を正面から見つめ返すと、懐に手をやる。

「は、これはとある神殿のカンナギを問い詰めて取り上げたものでござる」

 ジュウエモンはゲンバに一通の書状を手渡す。そこには、タケノジョウを呪殺すれば褒美は思いのまま、とある。同時に提出したのはタダマサ直筆の手紙と、2つの手紙が同じ筆跡であるという鑑定書である。

 ゲンバはしばし書簡を見つめていたが、涼しげな顔でタダマサに問いかける。

「被告人。この手紙はそなたの筆跡か?」

 タダマサはにやにやと笑いながら、かぶりを振る。

「いいえ、よく似せてありますが、私の字ではありません」

 

ヨエモン:「おのれ悪党が!」

 

「そうか、原告、こんなものは証拠にならぬぞ」

 言うが早いか、ゲンバは手紙を火鉢に焼べてしまう。

「何をなさいます!」

 タケノジョウが抗議するが、逆にゲンバは権威をもって威圧する。

「黙れ! 裁判官の判断は絶対である。他に証拠はあるか? 無いならこのお裁きは閉廷とする」

 

ヨエモン:(逆転裁判風に)「異議あり!」

GM(ゲンバ):「何だ? 言いたいことがあれば申してみよ」

ヨエモン「いや、異議はあるのでござるが、どう切り返したらいいかわからないでござる(一同笑)」

タマヨ:「貴方、ちょっと黙ってなさい(笑)」

 

 原告の間に重苦しい空気が漂う。

 証拠を提出すれば、ゲンバが焼いてしまうだろう。しかし、提出しなければこのまま閉廷になってしまう。

 そんな、コウハクサイの脳裏に、昨日出会った若侍の言葉がよぎる。

「『もうだめだ』と思ったときは、とにかく粘ることです。そうすれば、逆転の目はありますよ」

 コウハクサイは、意を決して、証拠を提出する。

 

ヨエモン:「軍師殿! 今でござる、カーソルをアイテムに合わせて選択でござる!(笑)」

コウハクサイ:GM、証拠品を事前に2通用意しておくことは出来ますか?

GM:うーん。では、【知力】判定で13以上出せたら、この事態を予想できたということで、2通用意したことにしていいです。

コウハクサイ:いけっ!(ダイスを振る)良し、15! ではカーソルを証拠品の写しに合わせて、Aボタンを押します(笑)。

ヨエモン:ピッ、「異議あり!」

GM:タダマサがにやにや笑いながら、皆さんを嘲ります。

GM(タダマサ):「無駄な事を。もう諦めたらどうだ!」

タマヨ:「まだよ! 私達は、最後の最後まで諦めない!」

GM:さて、その時、一人の青年がお裁きの場に訪れます。身なりのいい青年ですね。昨日、皆さんを助けたサムライです。

GM(青年):「お、やっているな。私も見学させてもらっていいだろうか?」

ヨエモン:「お主は昨日の……。何を物見雄山な! それどころではござらぬぞ!」

……多分相手は大物だろうなと思いつつ、突っかかるバカの図(笑)

コウハクサイ:では、今度こそ誰か分かるか判定してみましょう。(ダイスを振る)17です。

タマヨ:さっきから、目が走りすぎてない?

ヨエモン:その運気を、分けてほしいでござる。

GM:コウハクサイは、青年が誰だかわかります。

 

「まあ、私は居ないものと思ってお裁きを続けてくれ」

 青年は、温和な笑顔を浮かべて、一同にぺこりと頭を下げる。

 驚愕したのは、裁判官のゲンバだった。

「あ、貴方様は!」

 青年こそ、次期タイクーンと目される、アオイ・カゲユキその人だったからだ。

 

ヨエモン:拙者は相手が誰だか分からないから、引き続き突っかかるでござる。

「若造! 見世物ではないとこれだけ申しておるのに……」

コウハクサイ:ヨエモンの頭を押さえつけて謝らせます。「しっ、失礼しました!」

ヨエモン:「離してくだされ軍師殿! 拙者このような若造に下げる頭は……」

コウハクサイ:「(小声で)タイクーン家の御曹司様だ!」

ヨエモン:な、何ですと!(一同爆笑)

タマヨ:「えー、そうなの!」

GM(カゲユキ):「面を上げよ、私も後学の為に、このお裁きを見学させてもらう。まあ、余程の事が無ければ口は出さんから、安心してくれ」

ヨエモン:(手のひらを返して)「どうぞどうぞ、拙者が座布団を温めておきました(一同笑)」

 

原告陣営は色めき立つ。さしものゲンバもカゲユキの眼前で証拠品を焼くわけには行かないからだ。

 だが、このチャンスを生かせるかどうかは、コウハクサイの弁舌にかかっている。

 

GM:ここで皆さんには、ロールプレイでタダマサを告発していただきます。その内容に、こちらの想定しているキーワードが全て含まれていれば、カゲユキを説得できるか判定ができます。

ヨエモン:ロールプレイでござるか。よりにもよってこんな馬鹿なキャラにしてしまったでござる(笑)

タマヨ:私も人のこと言えない(笑)

ヨエモン:「頼みの綱は軍師殿だけでござる」

コウハクサイ:(溜息を吐いて)「分かりました。何とかやってみます」

GM:ではどうぞ。

コウハクサイ:「ゲンバ様、こちらが、タケノジョウ様毒殺未遂事件の際に犠牲になった身代わりの診断書と、毒の成分表にございます」

GM(ゲンバ):「むっ、詳しく話してみよ」

コウハクサイ:「過日にございます、ホクト藩のキバ・メゴヒメ様を連れたニキ・タダマサ様は、メゴヒメ様の土産物に毒を仕込み、タケノジョウ様を暗殺しようとなさいました。その際、忠臣が身代わりに毒を受けたことで、無礼打ちとされてしまいましたが、その遺体と、土産物の菓子から、毒が発見されたのです!」

ヨエモン:「その忠臣こそ、そこに記載されている、勇ましきハラダ・マツチヨ殿でござる!」

GM:いいでしょう。ではカゲユキがこれを信じるかどうか、目標値13の【精神】判定をお願いいたします。誰か一人でも成功すれば、カゲユキが動きます。

ヨエモン:あれ? ロールプレイだけじゃないのか。でも、拙者根性だけなら負けないでござる(ダイスを振る)17!

コウハクサイ:(ダイスを振る)14。

タマヨ:(ダイスを振る)成功!

 

「被告人、これは事実か?」

 うろたえた様に、タダマサを問いただすゲンバ。カゲユキを前にして、その尊大さは何処かへ吹き飛んでいた。

「い、いや、存じ上げません」

 否定するタダマサも、先ほどまでの自信は感じられない。

「被告人が憶えはないと言っておるぞ!」

 それでも、無理やり証拠品をもみ消そうとするゲンバに、割って入ったのはカゲユキだった。

「いや待て、これだけの証拠があるのだ。この診断書が間違いだというならば、被告人はそれを立証する責任がある」

 

 

GM:ゲンバは手のひらを返して、揉み手をしながら言います。

GM(ゲンバ):「そうですよね!(笑) 被告人、どうなのだ!?」

タマヨ:「やった! タダマサを追いつめたわ!」

GM(タダマサ):「ふっ」

一同:ふ?

GM(タダマサ):「ふははははは! どうやら私の負けのようだ!」

ヨエモン:「開き直る気でござるか?」

GM(タダマサ):「だが、次期タイクーンを引っ張り出せたことを良しとしよう。アオイ・カゲユキ! お前の首を持って、ホクト藩への手土産にさせてもらう!」

GM:タダマサは、隠し持っていたキャリバーを取り出します。

コウハクサイ:キャリバー! なんと悪党らしい(笑)

GM:カゲユキは腰の刀に手をかけますが、持病の発作の為、吐血して座り込んでしまいます。

ヨエモン:肝心な時に役に立たんでござる。「北斗の拳」のリュウケンみたいな奴だ(笑)

GM:城内に潜んでいた家老派の手勢も蜂起します。今カゲユキを守れるのは、皆さんしかいません。という訳で、クライマックスフェイズに移行します。

 とうとう本性を現し、カゲユキを亡き者にせんとするタダマサ。
 3人はカゲユキを守り、マツチヨの無念を晴らすことが出来るのか?
 物語は、後編へと続く。




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